霊・UFO・前世などの体験

不思議な人生の記録

【訪問者】不思議で不気味な「黒い猫」

2000年1月上旬、25歳の時に渡米をした。

 

留学先は、アメリカのフロリダ州南東部にある「フォートローダーデール」で、「マイアミの北側」に位置しており、湿度は高いものの、寒暖の差が少なく、過ごしやすい場所だった。

 

日本の「沖縄」と同じくらいの緯度の為、日差しは強く、植物も「ガジュマルの木」や「マングローブ林」など、各地で「南国の植物」が見れた。

 

市内には「運河」がそこらじゅうに通っていて、富裕層が持つ「冬期の別荘」も多く立ち並ぶ「フォートローダーデール」では、自宅の裏庭から「ヨット」や「クルーザー」に乗って運河から海へと出て、「釣り」や「船上パーティー」などをする家庭も多かった。

 

その為、「フォートローダーデール」には「跳ね橋」が多く、「ヨット」や「クルーザー」が運河を通るたびに橋が跳ね上がり、通行人や自動車は、橋が元に戻るのを待っていた。

 

家やアパートには「芝生の庭」に「プール」がある所も多く、「マンゴーの木」が植わっている所も多かった。

 

公園では、30匹くらいの「野生のアライグマ」がエサを求めて歩き回り、日本では見たこともないようなカラフルな「インコ」が飛んでいた。

 

澄んだ青空が広がり、濃い色をした青い海、白い砂浜、温かい風、そんなビーチでは「野生のペリカン」が何羽も歩いていたり、飛んでいたりと日本では見かけない風景だった。

 

そんな街で私は、1か月間だけ「ホームステイ」をして、その後は自分で「ルームシェア」や「一人用のアパート」を探す予定をしていた。

 

ホームステイ先は、イタリア系アメリカ人の夫婦と一人娘がいる家庭で、大きな平屋の一軒家だった。

 

10畳ほどの部屋を入ると、すぐ左手に勉強机や棚があり、奥にはベッドとタンス、ベッドに面した窓からは「運河」が見え、その部屋の隣には「私専用のバスルーム」もあった。

 

これから「フロリダでの生活が始まる」という喜びとワクワク感でいっぱいの初日だった。

 

翌日からの「語学学校」の準備を済ませ、早めにシャワーを浴びることにした。

 

バスルームのドアを開けると、右手に2メートルほどの「洗面台」、その横に「洋式トイレ」、つきあたりに「すりガラス」で仕切られた「シャワールーム」があった。

 

それほど広くはなかったが、「水色のタイル」を貼った素敵な「バスルーム」だった。

 

シャワーを浴び終わって、「すりガラス」を開けた。

 

「え!?」

 

「洋式トイレのフタ」の上に「大きな真っ黒な猫」が寝ていた。

 

猫が目を開け、私を見た。

 

「黄色の目」を持ち、どこか「人間の男性」を思わせる雰囲気があった。

 

「なぜ、そう思ったのか」自分でもよくわからない。

 

しかし猫を見た瞬間、「人間の男性ような雰囲気」を感じた。

 

しかもバスルームには内側から「鍵」をかけていて、シャワールームの「窓」も閉まっていた。

 

他に猫が出入りできるような「穴」や「通路」も見かけなかった。

 

不思議に思いながらも部屋に戻り、寝る準備をした。

 

猫のこともあって神経が過敏になっていたのか、なかなか寝付けない。

 

「真っ暗な部屋」も落ち着かなくなっきて、勉強机の「蛍光灯」だけをつけっぱなしにして、またベッドに戻った。

 

どれくらい経ったのかわからないが、ウトウトとしかけていた時、「蛍光灯の光が点滅」しているように感じられた。

 

目を開けて見る。

 

すると、蛍光灯の置いてある勉強机の前を「大きな黒い影」が行ったり来たり。

 

その度に「蛍光灯の光」が「黒い影」によって遮断されるようになり、ベッドにいる私には「点滅」しているように感じられたのだった。

 

ベッドから見て、「勉強机の左手」には廊下に出られる「戸」があって、寝る前に「鍵」を閉めたはずなのに、20センチほど開いていた。

 

驚きの中、「黒い影の正体」を見極めようと目を凝らしたが、「男性」ということしかわからなかった。

 

やがて、私が見ていることに気がついたのか、その「黒い影」は勢いよくベッドまで来ると突然、私の両肩に手をつき、馬乗りになって私をベッドに押しつけた。

 

私は、抵抗しようともがきかけたが、全然、体が動かず・・・知らぬ間に意識を失っていたようだ。

 

気がついたら朝になっていた。

 

私は、「ホストマザー」に「黒猫」と「黒い影」の話を聞かせた。

 

「ホストマザー」は、「うちで飼っている黒猫よ。あなたがバスルームに入る前に、すでにそこにいたんでしょう。気づかなかっただけよ。影の方は、よくわからないけれど。」と回答。

 

バスルームは見通しが良く、床には何も置いていなかったし、壁には棚も一切なかった為、「大きな猫」が隠れられる場所はなかった。

 

シャワー前には、必ず隅々まで確認をして「鍵」を閉めて入ったが、シャワーを終えて「すりガラス」を開けると、どういう訳か毎回「黒猫」がいるのだった。

 

そして夜には、ほぼ毎日のように「黒い影」が現れた。

 

「黒い猫」を見て感じた「人間の男性ような雰囲気」と「黒い男性の影」とは、繋がりがあるんだろうか。

 

それとも「別物」だったのか。

 

「黒い男性の影」は、いつも部屋を歩き回っていたが、それはナゼだったのか。

 

今でも、わからない。

 

「フロリダの生活が始まる」というワクワク感と期待感があった一方で、この「黒猫」と「黒い影」のことがあってから、「やっぱりフロリダでも奇妙で不思議な体験は続くのか・・・」と少し諦めにも似た気持ちになった。

 

結局、「この出来事」を皮切りに、「一年半ほどのフロリダ滞在中」に数多くの「霊体験」と「奇妙な体験」をすることとなり、普通の生活がほとんどできず、安息地を求めるように私は「12回もの引っ越し」を繰り返すこととなった。

 

ただでさえ環境が大きく変わり、最初の半年間は「英語が全然できない」状態の中、いつも「辞書」を片手に「簡単な会話」に挑戦をしてみたり、聞き取れない時は「筆談」にしてもらったりと、毎日の生活をこなすだけで精一杯だった。

 

それなのに、それに加えて毎日のように「霊体験」や「奇妙な体験」があり、多い時には、朝・昼・晩とそれぞれ起こるのだ。

 

日本でも頻繁に夜中に起こされ「浅い眠り」が習慣づいていたが、「フォートローダーデール」では、更に「眠れない日」が続き、疲れ、体力を消耗させた。

 

それはまるで、「あらゆる現象」に対応できる「知識」と「体づくり」を習得する為の「修行」に思えるような毎日だった。

 

しかし、一度も「日本に帰りたい」と思ったことがなかった。

 

風景や動植物、食べ物、ライブや野球、映画やテレビ番組など、何を見ても「すべての事」が楽しく、「日本に帰りたい」とは思わせないほど、「アメリカ」は私を「魅了し続けた」のだった。

 

 

 

当時、「英語の習得」で痛感したのが、いくら「単語や文法」を覚えても「聞き取り」ができなければ「会話にならない」という事。

 

まずは「英語」に「耳」を慣らすのが、大切だ。

 

今では「英語」を話すことが全然ないが、「耳」だけは衰えないように「CDの聞き流し」は続けている。