霊・UFO・前世などの体験

不思議な人生の記録

「龍」のお導き①

2013年の「桜」の季節。

 

私と母は、親戚のおばさんに誘われて「長野県」での4泊5日旅行に行くことにした。

 

高野山での修業経験がある祖母」の供養も兼ねて、滞在中の天気が良ければ、「戸隠神社」へも行く予定をしていた。

 

生前の祖母が好きだった場所で、「戸隠」の名前は何度か聞いたことがあったものの、訪れたことがなかった私には、今回の旅行が楽しみだった。

 

桜が所々に咲き始めてはいたが、親戚の家がある「山の中腹」では、まだまだ雪が積もり、私たちが到着した昼間にも「雪」がしんしんと降っていた。

 

人がほとんどおらず、時々、聞こえるは「鳥や鹿の鳴き声」くらいで、家の周りに広がる木々と絶え間なく降る雪とが、「幻想的な景色」を造っていた。

 

家の中は「とても温かく快適」で、窓から見える「銀世界」はとても美しく、日々、時間に追われ「心身ともに疲れきっていた私の心」を少しずつ癒していった。

 

「少し雪の中を歩きたい」と思い、一人「家の外」に出て、空を見上げた。

 

空気は冷たく澄んでいて、風もなく、雪が音を吸収しているのか、とても静かだった。

 

雪の中、慎重に坂道を歩き、山の頂上へと向かった。

 

「自分の呼吸」と「雪を踏みしめる音」しか聞こえない。

 

毎日、「音にあふれた生活」をしている私にとって、その静けさは「心地よく」、「ストレスや疲れという汚れ」が少しずつ落ちていくような感覚になった。

 

すべらないように自分の足元を見ながら歩いていた私は、ふと「何かの気配」を感じて顔を上げた。

 

そこには「タバコの煙」でふちどったような「龍」がいた。

 

私から2メートルほどしか離れておらず、地上から3メートルくらいの場所に浮いていた。

 

「龍」は私が見やすいように、わざわざ「その身」を「小さめに設定」してくれたのだろうか。

 

「1メートルくらいのサイズ」だった。

 

「タバコの煙」でふちどったような「龍」だったから、体は透けていて「後ろの景色」が見えていた。

 

あまりのことに驚いたが、その「神秘的な姿」に「胸が熱く」なった。

 

「よく来た。明日、戸隠に参られよ。」

 

私の「頭の中」に「龍の言葉」が響いたのと同時に、「龍が発する光」に包まれる感覚があり、そこから「私をねぎらうような思い」が伝わってきた。

 

私は、呆然と立ち尽くしていた。

 

気がついた時には「龍」は消えていて、変わらず降っている「雪」の中で、私は「涙」を流していた。

 

「龍の言葉と光」が、私の心をほぐした。

 

今まで何十年もの間、「霊体験」などを通して「目では見ることができない世界」の「学びと開拓」を迷いながらも一人歩み続けていた私にとって、「褒めてもらえたような気持ち」になり、心底、ホッとした。

 

家に戻り、母と親戚のおばさんに「龍との出会い」を聞かせ、「明日、戸隠に行こう」と伝えた。

 

しかし「天気予報」では「まだ雪が降る」と言っていて、不安な夜だった。

 

翌朝。

 

「快晴の青空」が広がり、「春らしい太陽の光」で積もった「雪」は、輝いていた。

 

お参りをするには、「最高の天気」だった。

 

軽く朝食を済ませて、親戚のおばさんの運転で「戸隠神社」に向かった。

 

私は「後部座席」から「街並み」を眺めていた。

 

突然、「現在の街並み」に重なるようにして「映像」が出てきた。

 

「槍や刀を持った人」、「鎧を着た兵士」、「馬に乗っている人」。

 

その「映像」は、「戦」だった。

 

「信号待ち」で車が停止した。

 

目の前には、「荒涼とした土地で戦う人々の映像」が「映画」のように現れた。

 

人々の声、足音、弓矢の音、刀の音・・・いろいろな音が聞こえた。

 

「音」以外にも、「血の臭い」や「物の焦げる臭い」もした。

 

親戚のおばさんと母に、目の前に広がる「映像」の話をすると、「川中島の戦いがあった場所」という回答。

 

しばらく車で走っていると「川中島の戦い」があったことを示す「看板」が出てきた。

 

400年以上も時が経っているが、「戦に関わった人々の思い」などが土地に留まり、現在でも戦っていた。

 

しばらくの間、重なった「戦の映像」と「現在の街並み」とを見ていた。

 

そして、「戸隠神社」に着いた。

 

両側に「大きな杉の木」が立ち並び、「青空」と「積もった雪」とで、とても綺麗な景色だった。

 

道は「凍結」していて、滑りやすかった。

 

「奥社」までは、かなりの距離があり、その道を上がって行かないといけなかった。

 

歩き始めて5分もしないうちに、「私の体」はズッシリと重くなっていった。

 

私の「母方のご先祖」には、「修行僧」が多くいて、「霊験あらたかな戸隠神社」に「私の体」を使って「行こう」とするのだ。

 

その中には「祖母」もおり、また「見ず知らずの霊たち」もいた。

 

「私の体」は、「20キロくらいの荷物を背負っているような感覚」となり、その状態で「凍結している道」を上がって行くのは大変だった。

 

すぐに息がきれ、大量の汗が流れた。

 

どんどん「子供や高齢者の参拝者たち」に私は抜かされていった。

 

「状況がわからない人」から見ると「私の姿」は、「滑稽だった」だろう。

 

「晴れている」とはいえ、まだ「寒い時期」なのに、私だけが「熱さで顔を赤く」して「大量の汗」を流し、「着ている服」を脱ぎ「薄着の状態」で上っているのだ。

 

しかも、子供や高齢者でも進めるような道を「息をきらしながら」進んでいた。

 

私は、「心の中」でみんなに呼びかけた。

 

「もう肉体が無いんだから、一瞬で奥社まで行けるでしょう。私の体から離れて、自分で行けば?」

 

しかし、誰一人として離れることがなかった。

 

「私の体」を通して、「一緒に道のりを体感したい」ようだった。

 

私は諦めて、ひたすら石段を上がった。

 

そして、やっと目的地に着いた。

 

「奥社」や「九頭龍社」などに参拝する頃には、ご先祖たちも満足したのか、「私の体」も元に戻り、身も心も「軽く」なっていた。

 

参拝後に辺りを見渡すと、遠くで「白龍」が舞っていた。

 

私の所に現れた「あの龍」だ。

 

「晴れ渡った空」と「山々の連なり」、そして「白龍」との組み合わせは「神々しく」見えた。

 

「無事に参拝ができたこと」と「お礼」を「白龍」に伝えた。

 

「龍」のお導き②へ続く。