霊・UFO・前世などの体験

不思議な人生の記録

【前世の記憶】イギリス人のジャーナリスト

ある晴れた日、私は「前世退行催眠」を受けていた。

 

幼少期より「前世の記憶」をいくつか持っていたが、30代前半、更に自分自身を知りたくて「前世退行催眠」に興味があった。

 

本屋でも「前世」や「催眠」に関する本を目にする機会が増え、「いつか受けてみたい」と思っている時、ある女性と知り合った。

 

彼女は、子供の頃から原因不明の胸の痛みに悩んでいた。

 

 「前世療法」によって、現在の原因不明の病が「前世からの影響」によるものだった場合、自身の前世を知ることで病気が治ることがある。

 

彼女も「前世療法」によって胸の痛みから解放された経験を持っており、完治したことには喜んでいたが、それ以降も機会があるごとに「前世の記憶」が蘇り、中には「嫌な出来事があった記憶」も思い出すと言っていた。

 

「脳の封印」がはずれると再び閉じることはできないのだ。

 

それでも私は「前世退行催眠」を受けることにした。

 

更なる自分自身の解明の為に。

 

当日。

 

ほのかに明るい部屋にはイス2脚と机が1つあるだけで、アロマの良い香が漂い、緊張をほぐしてくれた。

 

私が座ったイスは「リクライニング」になっていて、自分の良い位置に調整ができる。

 

私は仰向けに寝れるような形にイスを調整して、目を閉じた。

 

女性が静かに私に話しかける。

 

「今から、あなたの今世に一番影響のある前世まで、さかのぼります。

10・9・8・7・6・5・4・3・2・1」

 

パン!

 

女性が手をたたくと同時に、私の脳裏に映像が浮かび上がる。

 

「あなたの足元を見てください。靴をはいていますか?裸足ですか?」

 

女性に質問をされて、映像の中の私は足元を見る。

 

「裸足です」

 

「男性ですか?女性ですか?」

 

「男性です」

 

催眠というものは、不思議な感覚だった。

 

私はちゃんと起きているのに、色付きの夢を見ているように次々と映像が出てきて、女性の進行や質問によって場面が変わっていく。

 

その映像を私は彼女に説明したり回答をしたりして、それを彼女が記録していく。

 

出てきた前世の時代は1900年頃のイギリスで、町には馬車や車、行き交う人々、そして鉄道も見えた。

 

前世の私は青い瞳をした白人の男性で、ジャーナリストだった。

 

三つ揃え」のスーツを着ていて、胸元には懐中時計の鎖が見える。

 

36歳の頃、仕事でアメリカに行くよう上司から言われ、妻と生後6か月の息子を残し、一人で船に乗る映像。

 

アメリカのサンディエゴの港に着き、ある家へと向かう。

 

白い坂道の途中にある小さな家の木戸をノックする。

 

中から男性が出てきた。

 

その男性の顔を見た瞬間、私は叫んだ。

 

「ジェームス!!」

 

叫んだ後で自分自身に驚いた。

 

一体どこからそんな名前が出てきたのか、自分でもわからないのだ。

 

頭では「初めて見る男性だ」と反応しているのに、心ではとても懐かしいと感じ、「ジェームス」に会えた嬉しさで私は泣いていた。

 

赤毛で長身のジェームスはヒゲをはやしていて、チェックのシャツ、7分丈のズボンにはサスペンダー、そしてブーツを履いていた。

 

当時のジェームスと私は幼なじみで、彼は若い時にイギリスからアメリカへと移住し、刑事になっていた。

 

すると、そのジェームスの映像に重なるようにして一人の女性が出てきた。

 

「Rちゃん!!」

 

Rちゃんは現在の私の幼なじみで、すでに45年以上も付き合いがある。

 

性別も年恰好も何もかも違うのに、どう見ても「Rちゃん」と「ジェームス」は同一人物だった。

 

Rちゃんが「ジェームス」であり、今世でも同じ時代を一緒に生きていることに嬉しくなった。

 

映像ではジェームスと奥さんと私とで、ろうそくの明かりを囲み、シチューとパンを食べながら楽しそうに夜遅くまで話をしていた。

 

そして、翌日の夕食も一緒にする約束をして別れた。

 

映像の場面が切り替わり、坂道を馬に乗った2人の男たちが駆け上がってくる。

 

ジェームスの家の木戸を蹴破り、男たちは銃を乱射した。

 

夕食の時間となり、私はジェームスの家へと向かっている。

 

そして木のテーブルの下で血を流し、死んでいる夫婦を見て呆然としている私。

 

家の外には野次馬が集まっていて、その中の一人が言った。

 

「アルカポネの手下にやられたようだ。一緒にいたあんたも狙われるかもしれない」

 

私は宿泊先に戻り荷物を抱えて、サンディエゴから離れることにした。

 

イギリスに帰ることは、妻子を巻き込む可能性があって戻れない。

 

その為、アメリカに留まり、様子を見ることにした。

 

車を乗り継ぎ、モニュメントバレーの近くまで行った。

 

荒野に赤い岩が点在していて、夜は満天の星空が広がっている。

 

そこで何日も野宿をしていたり、その荒野で暮らすインディアンの生活を遠目に見ていたりしていたが、少しずつ力つきて死んでいくというのが最後の映像だった。

 

親友を亡くし、イギリスの家族にも会えず、とても孤独で短命な最期だったようだが、なぜ誰にも助けを求めずに死んだのかまでは、わからなかった。

 

だが、「ジェームス」に久しぶりに会え、それが「Rちゃん」だと判明したことは、とても大きな収穫だった。

 

 催眠をかけてくれた女性によると「前世療法」を受けに来る人は、原因不明の病や持病を抱えた人、親子関係や夫婦関係などの不仲についての解明を望む人が多いとのことだった。

 

私も時々、友達や知り合いの前世がわかることがあり、前世は「親子」だったが今世では「夫婦」だったり、前世は「兄妹」だったが今世でも「兄妹」だったりするのを見てきた。

 

現在の不仲の原因が「前世からの行いや人間関係によるもの」であれば、前世を知ることで解決できることもあるだろう。

 

欧米では、かなり昔から「前世療法」を取り入れた治療があるが、日本では、まだまだ浸透していないことが残念だ。

 

  

 私が「前世退行催眠」を受けたいと思ったのは、この本と出会ったことも大きい。

 

マンガなので、いろいろな人の体験が読みやすく、わかりやすい。