【前世の記憶】バレエダンサー
久しぶりに、夢を見た。
20代の頃からよく見ていた夢で、いつも内容は同じだ。
夢の中の私は日本人で、10代後半と若く、ヨーロッパにあるバレエ学校を訪問するところから始まる。
学校は細かな模様が壁一面に施された石造りの外観で、階段を3段上がると広い玄関ホールに入る。
中はひんやりとしていて天井が高く、奥に進むと部屋が並んでおり、一部ガラスをはめ込んだドアから中を覗くと、様々な国から留学に来ているバレエダンサー達が柔軟をしていたり、音楽に合わせて踊っている。
私に気づいた白人男性が、部屋の奥から歩いてやって来た。
長身で細身だが、バレエダンサー特有の筋肉と姿勢の良さがあり、肩まで伸びたゆるやかなウェーブのかかった金髪は、彼の雰囲気によく似合っていた。
気さくな彼の案内で、各部屋を見てまわった。
そして、一人の男性を紹介された。
身体にピッタリと合った黒色のシャツとタイツ姿で、小柄な日本人だった。
その男性と握手をした瞬間、彼の手のぬくもりと懐かしさが蘇り、ハッと目が覚めた。
あの男性を知っている。
だが考えれば考えるほど、思い出せない。
しかし彼の手のぬくもりを思い出すたびに、気持ちは温かくなり、懐かしさが込み上げてくる。
気づくと、私は泣いていた。
彼に出会えた喜びで、心が震え、涙がとまらない。
頭の中ではずっと、彼は誰なのかを考えているのに。
頭と心が、正反対の状況が続く。
何度同じ夢を見ても結果は同じで、今も彼が誰なのかわからない。
それなのに、心ではまた会いたいと思っている。
それほど昔ではない時代、前世の私はバレエダンサーとして活躍をしていたようだ。
その魂の記憶もあってか、今世の私はミュージカルや歌舞伎などの舞台を観に行くことが好きだ。
ストーリーよりも役者の演技力や舞台・ドラマ・映画の演出の方が気になって、じっくりと観てしまう。
そういえば幼少期の私は、人と目を合わせながら話をすることが苦手だった。
人の目が怖く、人数が増えるとどうしていいかわからず、居心地が悪くなる。
前世でバレエダンサーをしていた夢を見出したことで、大勢の人に観られる喜びを得た一方で、何かのきっかけで、たくさんの人の目が急に怖くなったという記憶も蘇った。
年齢を重ねるにつれ少しずつ克服はできているが、今でも時々、ずっと目を合わせて話ができなかったりする。
また大勢の人の拍手を聴くと、懐かしさで泣けてくるがある。
これも、このバレエダンサーの前世と繋がりがあることなのだと思う。
夢の中に何度も現れる前世の彼とは、まだ今世では出会っていない。
人は魂は同じままで、何度も身体という器を変えて生まれ変わる。
だが、姿や性別が変わったとしても、瞳だけは変わらない。
だから、気づくはずだ。
もし彼が私と同じ時代に生まれ、近くにいるのならば。
30代の頃に、「前世退行催眠」を受けた経験を持つ女性と出会ったことがある。
彼女は、それによって自身の前世をいくつか思い出し、前世で関わりの強かった3人と今世に再会を果たしていた。
霊体験などを一切したことがない彼女だったが、目では見えない世界があることを信じ、スピリチュアルに興味があり、自分の生まれてきた意味を知る為に本をよく読んでいた。
そんな彼女が言うには、前世の知り合い3人とそれぞれ出会った時、一目見てわかったそうだ。
相手の雰囲気で直感したそうだが、会話をするようになり、時間をかけてコミュニケーションをとっていくと前世と同じしぐさをしたり、嗜好が同じだったりして、間違いなく知り合いだ、と確信したようだ。
私の場合も前世での家族や知り合いが、今世でも家族や同級生だったりする。
どの人にとっても、出会いに偶然はなく必然で、前世からの知り合いとの再会もある。
人間関係は、奥深く興味深いものだ。
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