霊・UFO・前世などの体験

不思議な人生の記録

墓場に集まる霊

ようやく朝晩、涼しくなってきた。

 

夏の猛暑による寝不足と疲れもあって、朝が涼しくなってくると、いつまでも寝ていたくなる。

 

数年前までは、想像もつかなかった。

 

長時間にわたって、朝まで熟睡できる日が、やってくるなんて。

 

40代前半まで、私は浅い眠りしか取れなかった。

 

たとえベッドに長い時間、横になっていたとしても、熟睡できるのは2~3時間程度で、あとは物音で目が覚めたり、霊に起こされ想いを聞かされていたり、時々、金縛りによって体力消耗したり・・・ほとんど眠れないまま、いつも朝を迎えていた。

 

眠れない日々が本格的に始まったのは、5歳くらいから。

 

数日前、久しぶりに、子供時代に住んでいた家の前を通りかかった。

 

今ではオシャレな新しい家に変わり、若い夫婦と子供が住んでいるが、当時は木造2階建てだった。

 

ここの家族、ちゃんと眠れてるのかしら。

 

その家を見ながら、ふと思った。

 

私が小学生の頃、木造の家の中では、たくさんの霊の気配と声がしていた。

 

切断された頭部を、首から落ちないように両手で押さえながら、階段を下りてくる女性。

 

床の間に座っている女性。

 

庭の片隅に立って、家の中を見ている男性。

 

頭にナタが刺さったままの、白い着物姿の女性など。

 

何度も目撃し、勉強中や寝ている時に名前を呼ばれることも、しょっちゅうだった。

 

私は一人っ子で、自分の体験を他の子供に話す機会がなかったし、祖母も父も霊が見え、数多くの霊体験をしていたから、このような怖い体験は、誰もがしているもので、この恐怖を乗り越えて、みんな大人になっているのだと思っていた。

 

しかし、小学校に入学をして、同級生と過ごしていくうちに、霊が見えていないこと、人の感情が読めないこと、夜はしっかり眠れていることを初めて知り、驚いた。

 

どうりで夏になると、お化け屋敷や肝試しに行った話、怖い話のテレビ番組で盛り上がるわけだ。

 

私にしてみれば、怖いのが日常茶飯事だったから、わざわざお化け屋敷や肝試しに行く人が不思議だったが、見えていないことを知ってから納得がいった。

 

それに私は、小学3年生くらいまで、相手と目を合わせるだけで、会話をしなくても相手の感情が読めることがあったり、じゃんけんで何を出すのか、前もって映像が飛んで来ることがあった。

 

私へのサプライズを用意されていても、前もって映像が届いて知ってしまうこともあり、どんな顔をしてプレゼントを受け取れば良いのか、わからないことも多かった。

 

子供の頃、霊体験などの目では見えない世界でのことが、色鮮やかで、驚きや怖さの度合いが高すぎて、学校生活などの目で見える世界での出来事は、どれも平和的で、友達が怖がっていても、私にとっては、たいしたことがなかった。

 

だから私の通知表には、『喜怒哀楽が乏しく、子供らしさがない』『大人びている』などと、よく書かれていた。

 

今思えば、子供の頃は感受性が強く、人と目を合わすことが苦手だったり、昼夜を問わず霊が現れる怖さとで、常に気が張っていた。

 

夜が眠れず、昼寝で寝不足を解消しようとしても、結局、霊に起こされて眠れない。

 

同級生から「昨日は爆睡だった」などという話を聞くたびに、うらやましく思ったことが何度もあった。

 

しかし、中学生くらいになると、爆睡してみたいという思いより、目では見えない世界の仕組みについて、の探求心のほうが勝っていった。

 

その頃には、霊体験にも人の目にも慣れ、まったく怖さを感じなくなった。

 

家で何度も目撃していた、頭にナタが刺さった女性や切断された頭部を持つ女性を見て、なぜ、そんなことになっているのか、と興味が湧くようにもなっていった。

 

だが彼女達は、私の名前を呼び、姿を現すだけで、何も言ってこない。

 

他の霊も、ただその場所に立っていたり、うずくまったりしているだけで、何の要求もしてこなかった。

 

20代になった頃、私の生まれ育った地域が、昔は墓地だったことを知った。

 

そして旦那さんに、ナタでなぶり殺された女性の話も聞いた。

 

家に現れていたのは、昔、墓地だった所にいた成仏できていない、たくさんの霊だった。

 

かなり昔に墓場は壊され、その土地に住宅街を造ったようだ。

 

だが、霊はその場所に残ったまま。

 

長い月日が流れ、その場所にお墓があったことを知る人もいなくなっていた。

 

たくさんの霊が居着いている土地に建った家に、私は高校生まで住んでいたのだ。

 

現在、家は新しくなっているが、墓地だった土地は変わらず、あの時の霊もずっといるに違いない。

 

死後の世界では、時間というものが無いし、この世の執着や未練を霊自身が手放さない限り、あの世へと旅立つことはないから。

 

他の地域でも、こういった土地はあるだろう。

 

元は墓地だったり、戦場だったり、処刑場だった土地を住宅街へと変えている所が。

 

そういった場所は、霊も多い。

 

どういう土地に住んでいるのか、知っておくことも大切だと思う。

 

 

夏は、虫よけとアロマとを兼ねて、ミントやティーツリーの香りを使っている。

朝までグッスリ眠れるから、気に入っている。