霊・UFO・前世などの体験

不思議な人生の記録

この世は仮想世界

人は亡くなっても、魂は生き続けている。

 

けっして、『無』にはならない。

 

これについては昔から本がたくさん出ているが、私の場合、数多くの不思議な経験を通して知り、今では当たり前のものになっている。

 

だから私には『死』というものの恐怖が無く、むしろ楽しみであったりする。

 

私の前世の記憶では、死後のことを覚えているものもある。

 

魂とその器である身体とを切り離す手段として、亡くなり方は病気、事故や事件など人によって様々だ。

 

しかし、どれも息苦しさや痛みはあるが自身の死を受け入れることで、それらは一瞬のように感じる。

 

そして身体から離れた魂である私は、宙へと浮かび上がり、迎えに来てくれた白い光に包まれる。

 

死後の、人生を終えた、という解放感と喜びは忘れられないものだ。

 

身体を持って生きる、という資格を放棄してしまう自殺では、これらを感じることができない。

 

毎日を自分なりに精一杯、悔いなく生きることで、その解放感と喜びは一層増したものとなる。

 

やがて、あの世の手前にある世界に入っていくと、今回の人生を振り返る作業がある。

 

見返りを求めることなく、家族や人の為にどれだけ良い行いをしたか。

 

また人に与えた悪い行いでは、相手がどんな気持ちだったのか、を自身で体感をすることで学びや気づきへと繋がる。

 

悪い行いよりも良い行いのポイントの方が多ければ、生まれ変わることができる。

 

これが輪廻転生であり、肉体を持って生まれるには、良い行いをして得たポイントの積み重ねなど、条件を満たしていないとできない。

 

この世に生まれてくるということは、それだけで凄いことなのだと思う。

 

肉体を持って生まれ変わるまでは、あの世で、自分の魂レベルと同じ仲間と過ごすことになる。

 

自分と魂レベルが同じだから居心地の良さはあるが、魂の磨きには繋がらない。

 

肉体を持ち、様々な魂レベルの者と過ごすことで、知識を学び、視野を広げ、無性の愛を知り、魂が磨ける。

 

この世は、肉体を持ってしかできない体験をして魂を磨く、修業の場所である。

 

また、やり残した課題や新しい課題に取り組むことも、魂の大きな成長となっていく。

 

課題を一つでも多くクリアできるように、この世に生まれてくる前に、性別・外見・両親・国を自分で決めてから生まれてくる。

 

こうして自分自身で選んだ役を演じながら、人生を歩む。

 

この世は、舞台のようなものでもある。

 

だから自分の心の持ちようで、どんな人間にもなれる。

 

ただし、人の人生を脅かすようなことをしてはいけない。

 

周りと比べることなく、自身と向き合い、自分磨きをするのが良い。

 

あの世が本来の世界であり、この世は修業の場所や舞台となる仮想世界なのだ。

 

 この仮想世界では、今までお金や物を重視する物質世界だったが、目では見えないものも重視する精神世界への移行が、昨年より本格的に始まっている。

 

修業の場所・舞台である仮想世界のレベルを上げて、そこに住む者の魂レベルも上げようとしている。

 

その為、コロナウイルスや天災・異常気象など、想像もしていなかったことが次々と起こり、生活にも変化が出ている。

 

だが、これは始まりにすぎない。

 

今までの普通の暮らしを維持していくことは、さらに難しくなっていくはずだ。

 

しかし現在を生きている人は、自分自身でこの時代を選んで生まれてきている。

 

この地球の転換期を体験したい、という目的の為に。

 

転換期では臨機応変さを求められる場面も多いから、魂の成長にもなる。

 

世の中が変化をしていっても、それについて考え、対応する能力が備わっている。

 

 その能力を開花させるには、いったん立ち止まり、リラックスして、自分自身と向き合う時間も必要だと思う。

 

昨年からのコロナの影響で、お家時間が増えたことは、一人一人の目覚めを促すという機会にもなっている。

 

一人でも多く自分自身の幸せに気づき、困難な状況の中でも楽しみを見つけ、前を向いて歩いていけたら、世の中も少しずつ明るいものへとなっていくだろう。

 

一人で歩むのが難しい時は、家族や友達と一緒に。

 

家族や気の合う長年の友達は前世から繋がっている場合が多く、今世では応援してくれる者という役割になっていたりする。

 

この世は、仮想世界。

 

思いこみや枠をはずし、自身を解放して、自分らしく生きていくのが良い。

 

願うことが叶いやすい、仮想世界。

 

今後の世の中が良くなるか悪くなるかは、私達の心の在りようで決まってくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明晰夢(めいせきむ)

明晰夢(めいせきむ)とは、自分で「これは夢だな」と自覚しながら見る夢のことだ。

 

子供の頃から明晰夢が割と多く、時には夢で見たことが現実に起こる正夢(まさゆめ)へと変わったり、自分の疑問や悩みに関する解答をもらえたりする。

 

数日前にも明晰夢をみた。

 

真夜中に実家の近くを散歩していた。

 

暑くも寒くもなく、誰一人として出歩いておらず、地球上に生きているのが自分だけなのではないか、と錯覚してしまいそうになるくらい何も音がしない。

 

立ち止まって空を見上げると、満天の星空が広がっていた。

 

それを見ながら、これは夢だな、と思っている私。

 

実家のある場所は、実際にはほとんど星が見えることはない。

 

夢の中での夜空は星が無数に輝き、とても綺麗で、しばらく眺めていた。

 

すると、一つの星が上へと移動を始めた。

 

ん!?

 

見間違いかと思い、目を凝らして見てみる。

 

流れ星のようなものが現れ、それをよけるように、今度は二つの星がスーッと移動した。

 

合計三つの星が、流れ星のような光に当たらないよう、すばやく移動を繰り返していく。

 

それはまるで、映画『スターウォーズ』の戦い場面のようだった。

 

私のいる地上からは流れ星のように見えていたが、あれはミサイルかレーザー光線のようなものだったのではないだろうか。

 

夜空を見上げていて、だんだんと目と首が痛くなってきた時、三つの光が私の方へと下りてきた。

 

近づいてきたのは、UFOだった。

 

約50センチの高さに幅が30センチほど、白い陶器でできているようなツルンとした表面を持つ、釣り鐘型のUFO。

 

アダムスキー型と呼ばれるUFOに近い形をしていた。

 

その3機のUFOは私の周りを飛び回り、そしてまた空へと帰っていった。

 

目が覚めてからも余韻で、しばらくはベッドから起き上がれなかった。

 

夢とは思えないほど、細部まで見ることができたUFO。

 

夢ではなく現実だったのではないか、と思わせるような不思議な感覚が残った。

 

一般的に明晰夢は、夢の状況を自分の思いのままに変化させられることでも知られている。

 

だから夢の中で、空を飛んだりすることも可能だ。

 

この明晰夢を利用して、夢の中では楽しい体験に変えたりして、自身のトラウマや恐怖を克服させる療法もあるらしい。

 

自分の記憶や体験が夢に反映されて、夢の中で状況を変化させて願望を叶えるということは理解ができる。

 

しかし今回のように、実際には釣り鐘型のUFOを見たことがない私が、夢の中でUFOを登場させ、状況をコントロールすることは不可能だと思う。

 

釣り鐘型UFOの部分だけ、現実だったのだろうか。

 

考えれば考えるほど、不思議に思えてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リモートでの部屋探し

昨年からのコロナウイルスの影響で、世の中の生活スタイルが一気に変わった。

 

リモートで仕事をする人が増えたり、学校での授業にも取り入れられている。

 

数日前、ニュース番組を見ていたら、不動産業界でもリモートが主流になってきていて、部屋の間取りや日当たりの良さなどの内覧を画面越しに見れるという。

 

気づくと私は眉間にシワをよせ、胸のモヤモヤと不安感とで気分が悪くなっていて、チャンネルを変えた。

 

物事には必ず、良い面と悪い面とがある。

 

リモートによってコロナ感染を防いだり、人との接触を減らせたり、遠方の友達と簡単に画面の中で会えたりすることは良いと思う。

 

しかし就職の面接や出会いを求めるなどの初対面、また物件や部屋探しにリモートを使うことは悪影響の連鎖になりかねない。

 

どの人も気(オーラ)を持っていて、身体を包んでいる。

 

それには、人となりの情報や前世・未来映像などを含んでいる。

 

そして自身の気(オーラ)を使って相手や場所の情報を読み取ったり、危険を察知したり、誰もが無意識のうちに行っている。

 

初めての人と会う時、見た目の情報と自身の気(オーラ)から得た情報によって、話しかけやすそう、気難しそうな人、という印象へと繋がっていく。

 

それは、物件や部屋探しでも同じことだ。

 

年々、自殺者や事件が多く、事故物件も増加傾向にある。

 

だからこそ、実際に部屋を見て、その場の雰囲気を感じることが大切だ。

 

部屋の中で目を閉じると、感じやすくなるだろう。

 

目からの情報を遮断することで、他の感覚が研ぎ澄まされる。

 

もし、この部屋は嫌だな、と直感したなら、それに従うほうが良い。

 

自身の気(オーラ)が、何か危険を察知しているからだ。

 

時々、私の所に「部屋を見てほしい」とスマートフォンに写真や間取りが届くことがある。

 

引っ越し後、眠りが浅く悪い夢を見る、奇妙な物音や誰かがいる気配がする、金縛りにあう、部屋全体が湿気やすくカビやすい、などの文章とともに送られてくる。

 

部屋の写真や間取りから透視をすると、気の流れの悪さや鬼門の通りで寝ていることで睡眠障害が起こっている場合もあるが、霊が写っていて、中には事故物件のものもあったりする。

 

そんな部屋に住み続けることは体調不良になったり、事故に遭う危険性も出てくる。

 

再度、引っ越しとなると出費も増える。

 

この世の大半の病気は、悪い気の流れる間取りや土地に住んでいることが影響している。

  

そんな悪循環にならないように、部屋探しはリモートに頼らず、何度も通って選ぶのが良い。

 

これは、建売の一軒家も同様だ。

 

以前、母がマンションへの引っ越しを考えていて、部屋探しを手伝ったことがあった。

 

膝を痛めていた母には、一軒家での階段の上り下りはきつく、駅に近いマンションでの生活を望んでいた。

 

いくつもの部屋を見て回ったが、間取りが良いけど駅から遠い、スーパーや駅が近いけどユニットバスなど、母の希望に合うような所がなかなか見つからなかった。

 

日を改めて内覧に行った部屋は分譲賃貸で、造りもしっかりしていて広さもあった。

 

高台に建っていてベランダからの景色も、母は気に入っていた。

 

しかし北側にある寝室とクローゼットを見る為、部屋に入った母が「ここ、すごく寒い」と言った。

 

母には霊が見えたりする経験が一切ないが、時々、何かを敏感に察知することがあった。

 

私も続いて部屋に入ってみる。

 

北側に面している部屋とはいえ、ゾクゾクするような寒さがあった。

 

その部屋を出ると、寒さがなくなる。

 

もう一度、私だけ寝室を確認しに行った。

 

やはり、異様に寒い。

 

目を閉じて、しばらく寝室に立っていると、後ろのクローゼットから気配がした。

 

振り返って見ると、そこには背が低くポッチャリとした、髪の薄い老人が立っていた。

 

その老人と目が合った瞬間、彼の情報が伝わってきた。

 

ベランダからの眺めが気に入って分譲マンションを購入し、長年、夫婦で住んでいたようだ。

 

死んでからも愛着があるこの部屋に、一人住み続けている老人霊。

 

私は、母に伝えた。

 

「背の低いポッチャリおじいさんが、クローゼットの前にいる。この部屋を借りたら、もれなくおじいさんも一緒についてくる。それに寝室を使うと、おじいさんに寝顔をずっと見られることになるよ」

 

「絶対、イヤ!」

 

母は即答して、この部屋を断念した。

 

その後も、いくつかの部屋を見に行き、無事に母はマンションへと引っ越しをして、現在も快適な生活をおくっている。

 

いろいろな部屋を実際に見ることで、同じ部屋でも天候によって違いがあったり、自分自身に合った部屋の条件が明確となっていく。

 

良い間取りや場所に住むと、それだけで運気も上がる。

 

住まいは、とても大切だ。

 

住居との良い縁をいただくには、やはり何度も自分の足で出向き、実際に目で見て肌でも感じること、そして最低限の間取りの知識は必要だ。

 

☆南東と北西に面した部屋が、リビングや寝室に向く

 

☆疲れを取りやすく、ぐっすり眠るには、北枕または西枕が良い

ただし近くに河や海がある場合、水の流れを遮断するようにして眠ること

水の流れと並行して眠ると、頭がボーとしたり、片頭痛になりやすい

 

☆北東から南西は鬼門の通りの為、汚水が流れる水回りがある場合は、こまめに掃除と盛り塩をしておくのが良い

 

☆一軒家の場合、家の中心に階段が無いこと

家の中心に階段があることは機能的だが、気の流れが悪くなる

 

これらを意識して、部屋や家を探すことがオススメだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【前世の記憶】バレエダンサー

久しぶりに、夢を見た。

 

20代の頃からよく見ていた夢で、いつも内容は同じだ。

 

夢の中の私は日本人で、10代後半と若く、ヨーロッパにあるバレエ学校を訪問するところから始まる。

 

学校は細かな模様が壁一面に施された石造りの外観で、階段を3段上がると広い玄関ホールに入る。

 

中はひんやりとしていて天井が高く、奥に進むと部屋が並んでおり、一部ガラスをはめ込んだドアから中を覗くと、様々な国から留学に来ているバレエダンサー達が柔軟をしていたり、音楽に合わせて踊っている。

 

私に気づいた白人男性が、部屋の奥から歩いてやって来た。

 

長身で細身だが、バレエダンサー特有の筋肉と姿勢の良さがあり、肩まで伸びたゆるやかなウェーブのかかった金髪は、彼の雰囲気によく似合っていた。

 

気さくな彼の案内で、各部屋を見てまわった。

 

そして、一人の男性を紹介された。

 

身体にピッタリと合った黒色のシャツとタイツ姿で、小柄な日本人だった。

 

その男性と握手をした瞬間、彼の手のぬくもりと懐かしさが蘇り、ハッと目が覚めた。

 

あの男性を知っている。

 

だが考えれば考えるほど、思い出せない。

 

しかし彼の手のぬくもりを思い出すたびに、気持ちは温かくなり、懐かしさが込み上げてくる。

 

気づくと、私は泣いていた。

 

彼に出会えた喜びで、心が震え、涙がとまらない。

 

頭の中ではずっと、彼は誰なのかを考えているのに。

 

頭と心が、正反対の状況が続く。

 

何度同じ夢を見ても結果は同じで、今も彼が誰なのかわからない。

 

それなのに、心ではまた会いたいと思っている。

 

それほど昔ではない時代、前世の私はバレエダンサーとして活躍をしていたようだ。

 

その魂の記憶もあってか、今世の私はミュージカルや歌舞伎などの舞台を観に行くことが好きだ。

 

ストーリーよりも役者の演技力や舞台・ドラマ・映画の演出の方が気になって、じっくりと観てしまう。

 

そういえば幼少期の私は、人と目を合わせながら話をすることが苦手だった。

 

人の目が怖く、人数が増えるとどうしていいかわからず、居心地が悪くなる。

 

前世でバレエダンサーをしていた夢を見出したことで、大勢の人に観られる喜びを得た一方で、何かのきっかけで、たくさんの人の目が急に怖くなったという記憶も蘇った。

 

年齢を重ねるにつれ少しずつ克服はできているが、今でも時々、ずっと目を合わせて話ができなかったりする。

 

また大勢の人の拍手を聴くと、懐かしさで泣けてくるがある。

 

これも、このバレエダンサーの前世と繋がりがあることなのだと思う。

 

夢の中に何度も現れる前世の彼とは、まだ今世では出会っていない。

 

人は魂は同じままで、何度も身体という器を変えて生まれ変わる。

 

だが、姿や性別が変わったとしても、瞳だけは変わらない。

 

だから、気づくはずだ。

 

もし彼が私と同じ時代に生まれ、近くにいるのならば。

 

 30代の頃に、「前世退行催眠」を受けた経験を持つ女性と出会ったことがある。

 

彼女は、それによって自身の前世をいくつか思い出し、前世で関わりの強かった3人と今世に再会を果たしていた。

 

霊体験などを一切したことがない彼女だったが、目では見えない世界があることを信じ、スピリチュアルに興味があり、自分の生まれてきた意味を知る為に本をよく読んでいた。

 

そんな彼女が言うには、前世の知り合い3人とそれぞれ出会った時、一目見てわかったそうだ。

 

相手の雰囲気で直感したそうだが、会話をするようになり、時間をかけてコミュニケーションをとっていくと前世と同じしぐさをしたり、嗜好が同じだったりして、間違いなく知り合いだ、と確信したようだ。

 

私の場合も前世での家族や知り合いが、今世でも家族や同級生だったりする。

 

どの人にとっても、出会いに偶然はなく必然で、前世からの知り合いとの再会もある。

 

人間関係は、奥深く興味深いものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あるゴルフ場と道路の話

青空と穏やかな海を見ながら、車でゴルフ場へと向かっていた。

 

この4か月ほど前、職場のホテルへと向かっている途中で、後ろから追突された。

 

赤信号で減速をしているところに、勢いよく後方から車がぶつかってきて、首と腰とにムチ打ち、そして全身打撲となった。

 

免許を取ったばかりの大学生が徹夜で遊び、居眠り運転をしていたからだった。

 

私は休職を余儀なくされ、ムチ打ちと全身打撲の症状を緩和させる治療を受けに、毎日、クリニックへと通った。

 

身体は少しずつ回復したものの、残業の多いフロントでの立ち仕事はできない状態となった。

 

その為、ホテルが所有するゴルフ場の予約課へ異動となった。

 

沖縄の海側にあるホテルと違って、ゴルフ場は内陸部の高台にあった。

 

上司への挨拶と制服合わせ、館内案内をしてもらいに、初めてゴルフ場を訪れた。

 

手入れの行き届いたグリーンが広がり、青空によく映えていて、とても綺麗だった。

 

遠くには、海も見えた。

 

ゴルフ場にはホテルが隣接しており、レストランや室内からの眺めも最高だった。

 

帰り際に、予約課の上司が言った。

 

「明日から出勤する時、必ず従業員専用の駐車場を使ってください」

 

従業員とゲスト(お客様)専用の駐車場とでは、道路が分かれているとのことだった。

 

58号線の通りから従業員駐車場までの道順を、明るい昼間のうちに確認しておくことにした。

 

駐車場の入口を見落とさないように、慎重に運転する。

 

だんだんと車1台が通れる幅しかない細い道路へと変わっていき、景色は畑や住宅が多くなってきた。

 

駐車場らしき場所が、全然見あたらない。

 

坂道を上り、どんどん奥へと進んで行くと、両側には木々やサトウキビ畑などが見えてくるようになった。

 

そして、別会社の敷地を示す看板が立っていた。

 

一体、駐車場はどこだったのか?

 

車を止めて、あたりを見渡した。

 

すると車の前方、背の高いサトウキビ畑の中から、わらわらと老若男女が出てきた。

 

50人以上、いるようだ。

 

その中の男性が、「駐車場は、この道を100メートルほど下った所にある」と教えてくれた。

 

私は、心の中でお礼を言った。

 

言葉にしなくても彼らには、ちゃんと私の思いが伝わった。

 

それは、全員が霊だからだ。

 

戦争で亡くなった人達のようだった。

 

道を教えてくれるなんて、親切な霊だ。

 

時々、こういった情報をくれる親切な霊と出会うことがある。

 

しかし、彼らに私が見えて聞こえる体質だとバレてしまっては、明日からこの道は使用できない。

 

なぜなら、彼らは私を見つけると、自分達の想いを聞いてほしいと毎回出てくるにちがいないからだ。

 

そういった経験を、過去に何度か体験していた。

 

出勤前に大人数で車を取り囲まれたりでもしたら、車の故障・遅刻・体調不良などになりかねない。

 

そんな事態を防ぐ為、従業員の駐車場は発見できたものの、ゲスト専用の道路と駐車場を使わせてもらえないかと伝える為に、再び上司の所へ向かった。

 

「あなたも見える人ですか~」

 

再び現れた私に、上司は言った。

 

このゴルフ場とホテルでは、従業員もゲストも霊の目撃が多いとのことだった。

 

従業員の中には体調不良となり、異動3日目で辞めた者もいると言う。

 

ゴルフ場では赤いワンピースを着た女性霊が目撃されたり、あるホールでは、キャディーが必ずお辞儀をしてから入らないとケガをする、という話まで聞いた。

 

今まで働いていたリゾートホテルでも霊が多かったが、車の追突事故よって、更に霊の多い場所へと配属となったのだった。

 

霊たちに呼ばれたか!?

 

ふと、そんなことを思った。

 

翌日からゲスト専用駐車場に車を止めて、出勤をした。

 

朝のゴルフ場は爽やかな海風が吹き、グリーンが鮮やかで、とても綺麗だった。

 

だが、館内の従業員専用通路や仕事場は、いつも薄暗さがあり、湿気ている場所も多く、窓から日が射していても寒気がした。

 

いかにも霊が好みそうな環境だった。

 

更衣室に現れる若い女性霊、倉庫の荷物の間にうずくまる少女霊など、あちこちで霊を見かけた。

 

話しかけてくる霊はいなかったが、どこにいても、四六時中、誰かに見られている感覚があった。

 

そんな環境の中、予約課と繁忙期にはフロントで数時間だけ働いた。

 

ゴルフ場では、大半の従業員が早朝からの出勤だったが、私は11時出勤の遅番として入ることが多く、とても働きやすかった。

 

いつも帰る頃には、すっかり辺りが暗くなっていた。

 

ある日の帰り、ホテル敷地内の道路を出て、街灯がほとんどない細い道を走り、58号線へと向かっていた。

 

直線道路となり、他の車もいなかった為、少しスピードを上げて運転をしていた。

 

すると突然、ヘッドライトに膝から下の足が4本、浮かび上がった。

 

「うわっ!!ごめん、ひきま~す!!」

 

車は、急に止まれない。

 

私はスピードを落とすことなく彼らをひいたが、何も衝撃はない。

 

彼らには、肉体がなかったからだ。

 

4本の裸足が見えた時、すけていたから霊だと判断をして、車でひく決断をした。

 

車が彼らに近づくにつれて、全体像が浮かび上がった。

 

どちらも20歳前後の若い男性霊で、少し丈の短い浴衣のようなものを着ていて、道路の真ん中で話をしているようだった。

 

ひいた後、後ろを見ると、暗闇の中に並んで立つ彼らの姿があった。

 

車の中に入ってこなくて良かった、という安堵と同時に、急に道路の真ん中に現れるなよ、という思いになった。

 

沖縄には電車がないから、車での移動となる。

 

暑い陽射しの中、歩行者や自転車に乗る人は少ないから、車の運転はしやすい。

 

しかし、私にとっては注意散漫になりやすく、運転は好きだが疲れやすかった。

 

自然とお墓の多い、沖縄の道路。

 

ヘビやマングースなどが飛び出してくることもあれば、霊も出てくる。

 

お盆の時期、沖縄市のある交差点で信号待ちをすると、必ず、霊たちが車内に入って来た。

 

そして、運転席にいる私にすがってくるのだ。

 

後ろから首をひっぱる霊、両横から身体によじ登ってくる霊、足元にうずくまる霊など。

 

毎回、息苦しくなり、咳き込み、運転に集中ができなくなる。

 

「今、運転中。あとにして!」

 

何度か注意するが、霊たちは聞かず、増えるばかり。

 

そして、しばらく走行していくうちに離れていく。

 

ある時は万座毛の近くの道路で、琉球王国時代の霊を何度か見たことがあった。

 

着物を着て、馬にまたがる士族の男性霊だった。

 

現代人よりも、かなり背が低く、馬も小さかった。

 

私が車で並走をしても、彼はまっすぐに前を向き、どこかを目指しているようだった。

 

沖縄は、目で見える景色の綺麗さと、目では見えない世界からの驚きと発見に満ちている魅力的な島だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

訪問者

沖縄市登川のアパート、その部屋は訪問者が多かった。

 

昼寝をしていると、ベランダから10人ほどの高齢者が入ってくることがあった。

 

ガラス戸を通り抜けて、私を囲むように、並んで見下ろしてくる。

 

全員が、戦死をした霊だ。

 

手に家族写真や思い出のある品などを持っている霊もいて、戦争によって普通の生活が過ごせなかった怒り、家族と離れ離れになった悲しさなどを訴えに来る。

 

いつも私は彼らが話し終えるまで、ただ聴いていた。

 

誰かに聴いてもらうことで、少しは心が軽くなるのだろう。

 

そして、彼らは消えていった。

 

別の日。

 

夕方にアパートに戻り、部屋のドアを開けた瞬間、お線香のにおいで驚いた。

 

玄関を上がると、更ににおいが強くなってくる。

 

それに加えて、誰かがいる気配がした。

 

ゆっくりと廊下を進み、1LDKの部屋を見渡す。

 

部屋には、誰もいない。

 

右後ろに気配を感じて振り返ると、洗面台の前に座っている女性の霊。

 

長い黒髪、顔をひざにつけて座っているから、表情は見えなかった。

 

しかし、じっと見ていると、彼女についての情報が伝わってきた。

 

20歳くらいの女性で、数か月前、事件に巻き込まれて亡くなっていた。

 

彼女の家族が、初盆の為、彼女が成仏することを願って、お線香をずっと焚いているようだった。

 

そのにおいが彼女を通して、私の部屋に充満していた。

 

結局、彼女は3日間、私の洗面台の前に現れたり消えたりを繰り返しながら、自分の想いを少しずつ吐き出していった。

 

また別の日。

 

仕事が休みで、久しぶりに部屋でソファーに座り、ゆっくりテレビを見ていた。

 

すると突然、テレビ台の前を左から右へと走り、ガラス戸をすり抜けて、ベランダへと出ていく者がいた。

 

身長が20センチもないような、小さな男性。

 

サンタクロースのように、赤い服と帽子を身につけていた。

 

以前、数人の芸能人がテレビ番組で、小さなおじさんを目撃した、と話していたことを思い出した。

 

これが、小さなおじさんか!?

 

初めて会った小さな人は、親しみがわいた。

 

数日後、またテレビ台の前を走る、小さなおじさん。

 

私に見られないように、必死で走っている様子だった。

 

「丸見えですけど~」と、小さなおじさんに教えてあげた。

 

すると、姿を消した。

 

その数日後。

 

夜中、目に光を感じた。

 

まぶしいな、と思いながら目を開けると、ベッド近くに置いてあったハンガーラックの上に、二人の小さなおじさんがいた。

 

一人は、顔なじみの細身に細長い顔。

 

もう一人は、丸顔で背の低いおじさん。

 

二人が私の目に向けて、エメラルドグリーン色のレーザー光線をあててくる。

 

「夜中に何してるの?」

 

あまりにもまぶしく、手で光を遮断しようとしたが、手のひらを突き抜けて目に光があたる。

 

目で見える物質世界と違い、彼らも光線も、目では見えない世界に属しているからか、いくら手のひらで遮断をしても無理だった。

 

いたずらっ子のように、楽しそうに光をあててくる小さなおじさん達に、どうすることもできず、すっかり眠気も吹っ飛び、とりあえず目を閉じた状態で横になっていた。

 

しばらくすると飽きたのか、おじさん達は消え、まぶしさから解放された。

 

目に光をあててきた意味は、なんだったのだろう。

 

その日以降、彼らは現れなかった。

 

しかし、代わりに龍や宇宙と繋がるようになった。

 

これは以前に投稿した、【瞑想と龍】や【瞑想と宇宙】を読んでください。

 

今まで、いろいろな場所に住んできたが、この部屋が一番、多岐にわたって不思議な体験をした。

 

霊や小さなおじさん、龍や宇宙とも繋がりやすい空間。

 

部屋の間取りも良く、気の流れが良かったことも、関係していたのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

狐につままれた!?

しとしとと小雨が降る中、軽自動車を走らせて、アパートへと急いでいた。

 

すでに23時を過ぎている。

 

「目的地は、すぐそこです」

 

スマートフォンのナビ案内が、そう告げた。

 

「はぁ~!? ここ、どこよ?」

 

めったに独り言をいわない私だが、思わず心の声が漏れた。

 

車のライトに照らされていたのは、沖縄葬斎場と書かれた看板だった。

 

時間をさかのぼること、6時間前。

 

知り合ったばかりのホテル従業員と意気投合し、二人で晩ごはんを食べる約束をしていた。

 

夕方17時にアパートのある沖縄市から車で、うるま市の居酒屋へと向かう予定をしていた。

 

沖縄市に移り住んで日が浅く、土地勘がほとんどない状態で、スマートフォンの道路案内を頼りに運転をした。

 

途中、渋滞はあったものの、30分ほどで店に着いた。

 

常連客である彼女は、すでに他の馴染み客と盛り上がっているところだった。

 

彼女を含め、沖縄育ちの人たちは陽気で、よく飲み、よく食べた。

 

私は翌日の早朝からの仕事を考えて、その日は飲めなかったが、沖縄料理を食べまくり、みんなと楽しい時間を過ごした。

 

そして、22時30分には店を出た。

 

周辺は細い道や一通が多く、帰り道をあまり覚えていなかった。

 

その為、スマートフォンのナビ案内に、アパートの住所を入力してから出発をした。

 

この時間帯は渋滞もないから23時までには余裕で到着できるし、睡眠時間もしっかりとれる。

 

そんなことを考えながら、車を走らせていた。

 

また雨が少し降り出してきて、かなり肌寒く感じた。

 

運転をして10分くらいが経った時、急にナビが「ルートを変更します」と言った。

 

えっ?

 

そして、またすぐに「ルートを検索中です」と言う。

 

私は車をいったん止めて、スマートフォンを手に取った。

 

こんなに空いてる道なのに、何故、ルートを変えるのか。

 

最短ルートが、他に見つかったのか!?

 

訳がわからなかったが、とりあえずは目的地がアパ-トになっていることを確認して、再び車を走らせた。

 

するとまた「ルートを変更します」と案内が入る。

 

街灯がほとんど無い暗い道で、道路標識やコンビニなども見当たらない場所。

 

やがて住宅街に入り、どこを走っているのか、だんだんとわからなくなっていった。

 

ナビの地図を見ても、目印になるような店や建物の表示が一つもない。

 

どうすることもできず、ナビの案内に従って運転をした。

 

突然、前方に眩しいほどの灯りが見えてきた。

 

そこは、電照菊(でんしょうぎく)の畑だった。

 

沖縄は、菊の栽培が盛んだ。

 

冬の時期、夜に菊の畑を電気で照らして、開花の調整をしている。

 

いくつもの電照菊の畑の間を走り抜けた。

 

そして、また住宅街を通る。

 

細道や坂道、一通の道をひたすら走った。

 

時計を見ると、すでに23時を過ぎている。

 

「目的地は、すぐそこです」

 

車のライトに照らされていたのは、沖縄葬斎場と書かれた看板。

 

「はぁ~!? ここ、どこよ?」

 

スマートフォンのナビを確認したが、目的地は私のアパートの住所に、ちゃんと設定がされていた。

 

それなのに着いたのは、火葬場。

 

私は念の為、もう一度、アパートの住所を入力して、ナビ設定をやり直した。

 

そして、車を走らせた。

 

ナビが案内する声と、時々、画面に出ている方角を頼りに運転をした。

 

相変わらず、地名の書かれた道路標識やコンビニが見当たらない。

 

街灯がほとんどない暗い道では、他の車も走っていなかった。

 

しばらくして、「目的地に着きました」とナビ案内の声。

 

目の前には、また沖縄葬斎場の看板があった。

 

「まじか! また火葬場!?」

 

スマートフォンの画面の目的地は、やはり私のアパートの住所になっている。

 

火葬場から離れることも意識して、運転もしていたのに・・・。

 

どうなっているのか理解ができないまま、また車を走らせた。

 

ナビは、先ほどとは違う道を案内している。

 

しかし、しばらくすると「ルートを変更します」との案内。

 

私は、それを無視して車を走らせた。

 

「ルートを検索中です」と何度もナビが告げる。

 

そして、「目的地に着きました」。

 

目の前には、また沖縄葬斎場の看板があった。

 

あまりに驚き、頭の中が真っ白になり、思考が停止した。

 

心臓が、これ以上ないほど早く、脈打っている。

 

かなりの距離を走ったし、先ほどとは違った道を通ったはずなのに、どうしても同じ場所に着くのだ。

 

いや、3回とも沖縄葬斎場の看板を目にしたが、よく思い出してみると、看板を置いていた場所が違っていた気がした。

 

沖縄葬斎場は、何か所もあるんだろうか。

 

疑問は増すばかりで何一つ解決しないまま、気をとりなおして、再びナビを設定した。

 

今度は、目的地をアパート近くにある郵便局にしてみる。

 

火葬場に戻ることが無いよう、慎重に車を走らせた。

 

今度こそアパ-トに戻る、と強く思いながら。

 

そして15分ほどが過ぎた頃、目の前には、沖縄葬斎場の看板があった。

 

まじか! 誰かに呼ばれてるのか!?

 

目をこらして辺りを見回したが、何かを訴えてくるような霊もいない。

 

それなのに何故、4回も火葬場に着いたのか。

 

いくら考えても答えは出ず、アパートにいつ帰れるんだろう、という焦りがつのった。

 

時間は、とっくに23時30分を過ぎていた。

 

店からアパ-トまで30分もかからないはずだったのに、すでに1時間以上も運転していた。

 

何が何だかわからない状態で、まるで、狐につままれたようだった。

 

私は心の中で、自分の守護霊にお願いをした。

 

この状況から脱出ができ、無事にアパートに戻れるよう、お導きくださいませ。

 

そして、またスマートフォンの設定をやり直してみた。

 

この異様な状態にさらに取り込まれないように、闇のものを近づけないように、私はラジオの音量を上げた。

 

アメリカ軍の基地が流しているラジオ局からは、ずっとダンスミュージックが流れていた。

 

軽快な音楽を聴きながら、暗い道をひたすら運転した。

 

暗いT字の道路を進んでいると、突き当たりに数人の人影が見えた。

 

スピードを少しづつ落とす。

 

火葬場の次は、霊か!?

 

警戒しながら、ゆっくりと前進する。

 

どうやら4人いるようだ。

 

更に近づいてみると、それは制服に白いヘルメットをかぶった警察官だった。

 

検問のようだ。

 

一人の若い男性が、車に近づいてきた。

 

窓を開ける。

 

免許証の提示を求められ、アルコール度数も調べられた。

 

無事に済んで、ゆっくりと車を走らせる。

 

私はバックミラーで、彼らを観察した。

 

ずっと違和感があったからだ。

 

何故、こんな住宅街で検問なのか。

 

他の車を全然見かけない場所だ。

 

それに2本の道路が交わっていてT字のようになっており、見通しが良く、もし飲酒運転をしていたら、いち早く検問に気づいて逃げやすいような場所に思えた。

 

また彼らの制服とヘルメットは現代のものではなく、一昔前のもののように見え、検問をしていた場所には、パトカーが1台も無かった。

 

乗り物もなく、どうやって彼らは来たのか。

 

もし逃走する車があった時、パトカー無しで、どうやって追うのか。

 

そして一番の違和感は、彼らの身体には気(オーラ)が全然無かったことだった。

 

生きている人間には身体を包むように、必ず気(オーラ)が出ている。

 

それが彼らには無かったが、霊のようにも見えなかった。

 

彼らは一体、何者だったのか。

 

免許証の提示を求めてきた彼は、細いつり目で唇が薄い、表情のないキツネ顔をしていた。

 

4人の警察官が並んで私の車をいつまでも見ているのが、バックミラー越しに見えた。

 

今晩は、キツネがからんでいるような不思議な出来事ばかり、と思いながら車を走らせていると、ようやく知っている道に出ることができた。

 

オレンジ色の街灯が、目にしみる。

 

アパートの部屋に着いたのは、夜中12時すぎ。

 

結局、店からアパートまで1時間30分ほどかかり、ただただ疲れた。

 

数年が経った今でも、この日の出来事は時間も含めて、忘れられない。

 

それくらい強烈な出来事であり、不思議な時間だった。